猛虎かく勝てり2874
2025.06.25 Wednesday

“捕手の思い”
やはり、あの“剛速球”には意味があった。
今月の11日西武戦(ベルーナドーム)で何げないワンシーン。
白熱した投手戦が続く中、坂本君がマウンド上の伊藤将君に突然、強い
ボールを投げ返した。興味深い1球だったので後日、坂本君に記者が尋ねてみたそうだ。すると頭脳派捕手はニヤリと笑った。
坂本君が要求したボールが来なかったが、判定はストライクだった。伊
藤将君に結果オーライの雰囲気を感じ取った女房役は、強いボールを返
すことで「しっかり投げろ」とメッセージを送ったそうだ。捕手は1試
合に3回(延長戦突入後は1回)しかマウンドに向かえない。貴重な3
回を温存しつつ意図を伝えるために、1回の返球を利用したそうだ。
普段の坂本君は特に走者がいない場合、捕球した後は素早く返球するタ
イプの捕手。ただ、そんな間合いも時と場合による。ビハインドの場面
で流れを引き寄せたいタイミングでは、一気にテンポを速める。逆に勝
負どころだったり、投手がストライクやアウトを欲しがり焦っている時
は、あえて時間をかけて返球する。そして、投手にメッセージを伝えた
い時は、突然フォームを大きくして強いボールを投げ返すこともある。
ちなみに2人のやりとりには後日談があるそうですね。西武戦後のある
日、坂本君は伊藤将君と食事を共にした。後輩左腕はその席で“剛速球”
について「『うわっ、怒ってる』ってビビッたっす」と振り返ったらしい。
先輩捕手の思いはしっかり届いていたのだ。
伊藤将君は今季初先発した11日西武戦で7回2/3を無失点。続く18日
ロッテ戦は6回1失点で自身347日ぶりの白星を手にした。常日頃から
投手を立てながら、叱咤激励もいとわない。頼れる捕手、坂本君の存在感が今季も際立っていますね。
参考文献:阪神タイガース公式サイト
画像:坂本 誠志郎捕手
撮影:アナフレ猛虎会『頑張れ阪神タイガース☆』
撮影日:2024年03月15日
場所:バンテリンドーム