猛虎かく勝てり2689
2024.08.06 Tuesday
“後半戦のキーマン“
7月後半の球宴ブレークで、岡田監督が後半戦、カギを握る選手は?という問いに、記者の予想は佐藤輝君、大山君かと思っていたが、岡田監督即答したキーマンは近本君でした。
8月4日のDeNA戦で近本君が固め打ちし、今シーズン100安打を記録。
猛虎に入団して6年。連続して100安打以上を打ち続けているのは立派と言える。令和のヒットマンはいよいよ状態を上げてきたようです。
特に「1回」の攻撃。表でも裏でも、いきなり近本君がヒットで出るケー
スが増える。そこで岡田監督は手堅く点を取りにいく作戦に出る。2番中野君に迷いなく送りバントを指示。いきなり相手にひとつアウトを与え
るのはもったいないなんて声もあるが…。これがウチの野球。いきなり
先制することの重要性。これがチームとしての形で、先発投手にも好影
響を与える。
それを証明する数字が、2番中野君の犠打数。球宴明けから極端に増え、
リーグ最多の「20」を数える。現状で2桁犠打は中野君だけ。ここにき
て近本君、中野君の連動がスムーズに行われていることが、数字上からもわかってきた。
安打だけではなく、近本君は四球での出塁が多い。リーグでは2番目の
多さ。ヤクルト村上選手の73四球は別格だが、その次が近本君の「47」。
これは巨人岡本選手よりも1つ多い。安打プラス四球で出塁率も上昇し、
猛虎の得点パターンが昨年並みになってきた。
球宴までの近本君の打撃内容は、らしくはなかった。無理して飛ばそう
として、打球は上にあがることが多かった。いわゆる凡飛なのだが、それが変わってきた。野手の間を抜くゴロヒット、ライナーで返すヒット
が多くなり、打席でドシッと構える落ち着きも。追い込まれても焦ることもない。ストライク、ボールの見極めが鮮やかにできるようになり、
相手バッテリーを追い込む。近本君スタイルは猛虎打線の起爆剤。岡田監督の読み通りに事は運んでいるようだ。
2021年に近本君は最多安打(178安打)のタイトルを獲得。今シーズン、
タイトル奪取は難しいだろう…という前半から、いつの間にか射程圏に入った。8月5日現在、リーグ最多安打は中日細川選手の106。もう目の前に迫ってきた。クリーンアップの得点力が見違えるほど上がった今、近本君は長打を捨てた。
これからも安打量産の一択で猛虎打線を勢いつける。まさに後半戦のキーマンである。
参考文献:阪神タイガース公式サイト
画像:近本 光司外野手
撮影:アナフレ猛虎会『頑張れ阪神タイガース☆』
撮影日:2024年06月21日
場所:阪神甲子園球場