猛虎かく勝てり2679
2024.07.02 Tuesday
“悩めるリードオフマン“
1年前のこと。昨年の交流戦で21打席連続無安打の期間があった近本君が今年ももがいていた。
打席では投手と、そして人知れず自分と戦っている。そして、それを表
には決して出さない。それが近本君なりの、不調との向き合い方。あく
までいつも通り。やるべきことをやる。
今は結果が出ない。6月は83打数13安打、打率1割5分7厘。50打席
以上立った月に限定すれば、プロ6年目で月間最低打率だった。6月27、29日と2試合連続で欠場。シーズン打率も2割4分7厘にまで落ち込んでいる。
とにかくいつも通りだった。6月30日のヤクルト戦の試合前練習。神宮
の三塁側ベンチ前でストレッチを開始。中野君とひと言、ふた言かわす。黙々とアップに入る。ティー打撃では右手1本、左手1本のいつものルーティンをこなす。
フリー打撃では力まず、センター中心にライナーを打ち返す。表情には明るさも暗さもない。
29歳。今年で30歳になる。後輩も増えた。いや、後輩の方が多くなった。この、結果が出ない時の近本君の姿勢をきっと、近くで見ているはず。全体練習前、いつもと変わらずに個別でバットを振る姿を。いつもと同じ時間に球場に来て、同じことを徹底的に繰り返す姿を。その生きざまから、得るものがある者もいるはずだ。
まさか彼が4番に座るとは誰が思ったことか。
悩める猛虎のリードオフマンの姿に続け!
参考文献:阪神タイガース公式サイト
画像:近本 光司外野手
撮影:アナフレ猛虎会『頑張れ阪神タイガース☆』
撮影日:2024年03月15日
場所:バンテリンドーム