巨人V9研究その5
2006.03.29 Wednesday
巨人軍の創設者は「プロ野球の父」と呼ばれた故正力 松太郎氏であります。
氏のあまりにも有名な三つの指針
『巨人軍は常に強くあれ』
『巨人軍は常に紳士たれ』
『巨人軍はアメリカ野球に追い付け、そして追い越せ』
先日、巨人ファン歴半世紀という小生の親父から聞きだした、素人ならではの証言ですが
…水原巨人から引き継いだ川上ジャイアンツは、特に目立った選手は長嶋ぐらいなもんだったな〜…
V9研究その1で巨人の成績を記したように、前年の1960年の成績はチーム打率、防御率ともにリーグ最低。二位になれたのが不思議であり、バッターでは長嶋氏がただ一人三割を打っているだけで、彼につぐのは打率二割七分でチーム1の17本のホームランを打った王貞治氏でしたが、当時はまだ三振王とヤジをあびるほど穴の大きなバッターでした。この年の101三振は氏の生涯でもっとも多い三振記録でもあります。
一方ピッチャーのほうは、リーグ最多の29勝18敗で沢村賞と新人王の堀本律雄氏が光っていましたが、他に二桁の10勝をあげたのは2年目の伊藤芳明氏一人で、あとはこの年限りでマウンドを去ったベテランの別所毅彦氏が9勝という状態で投打ともに淋しい限りの戦力だったのです。
先ほどの親父の証言も満更ではなく、データーをみた限りでは、とてもとても優勝を狙えるようなチーム力ではありませんでした。
このチームでいかにして勝てばいいのか!
そこで川上氏が着眼したのがあまりにも有名な『ドジャースの戦法』という一冊の本でした。のちにこの小さな本が巨人だけでなく、やがては日本のプロ野球そのものを変えていったと言われているドジャース戦法とは?
ネットで調べると〜
:本書は近代的なベースボールへの手引きであり、不朽の古典である。野球技術の基本を説くとともに、各ポジションのプレーについても解説。守備、攻撃、指揮の3編より成る:
ワクワクしながら図書館に駆け込み、イザ開いて見れば、小生のような野球を教わった事のない素人も仰天(^_^;)素晴らしいの一言です!代表的なチームプレーで現在では当たり前のような投手の一塁カバーについての抜粋です
『投手は自分の左側に球を打たれたらすぐさま一塁に向かってスタートする習慣をつけなければならなぬ。ゴロであろうとライナーであろうと変わりはない。直ちに一塁に突進せよ。適当な時に投手がマウンドを離れなかったためにゲームを失ったためしは多い。打球が左側にきたら、投手は真っ直ぐに一塁にスタートし、塁に近付いたらスピードを緩め、右足を塁に触れて、一塁手からの投球を待ち受ける。球を受け取ったら走者との衝突をふせぐために、ファウルラインの内側を二、三歩走り続けるが、この場合もし他の塁にも走者がいたら、投手はできるだけ早くとどまり、必要に応じて他の塁に投球する用意をせねばならない。
走者の足が遅いか、又は他の理由で投手がゆっくり一塁に間に合った時には、塁上で止まって、こちらに投球しようとしている野手の方に向き直り、一塁手のような身のこなしで、体をのばしたり、どちらかの側へ動いたりして、一塁手の代わりをつとめなければならぬ。』
当たり前のように行われているプレーに隠された、執拗なまでに細部に行き届くセオリーとでもいいましょうか!
その他、
『捕手には特別な身体的条件は必要でない。背が高かろうと、低かろうと、痩せていようと、がっちりしていようと、そんなことはどうでもいい。捕手として絶対に必要な条件は
1.敏速、正確、強力に投球できる腕
2.投球の真正面で動くことのできる軽快な身のこなし
3.守備陣を指揮する能力
の三つである。』
まさに適材適所を説いたこの書から、プロ野球の近代化が始まったのである…凄いの一言
まだまだ記したい事が山ほどありますが…m(_ _)m
参考文献:『ドジャースの戦法』アル・カンパニス著 内村祐之訳ベースボールマガジン社
☆頑張れ阪神タイガース☆