猛虎かく勝てり2249
2022.01.26 Wednesday
“春季キャンプに向けて“
鳥谷敬氏初提言<2>
阪神、ロッテで活躍し、日刊スポーツ評論家に就任した鳥谷敬氏が、虎の守備力向上へのポイントを提言するキャンプ前企画。
第2回は「ミスをした後」に着目。エラーの内容と傾向を分析する重要性を説いてくれています。
鳥谷氏は昨年11月7日、テレビ生中継のゲスト解説で甲子園を訪れ、猛虎が巨人とのCSファーストステージ2戦目に敗れた一戦を振り返りました。2点リードの3回表、遊撃中野君の失策から3失点で逆転を許した試合です。先頭打者の正面付近へのゴロをはじいたミスを、大先輩は冷静に分析してくれました。
このエラーがなぜ起きたのかということ。自分が確認した限り、出だしの
バウンドには合っていたが、2個目のバウンドがちょっと変化して、この変化に少し体が引く形になってはじいたように見えた。あのゴロにしても、もし三塁方向ではなく真下にはじけていたら、アウトにできた可能性もある。そういう物の見方をしていくのもいいのかなと思う。
どんな名手にもミスはある。特にまだ経験値の浅い若手ならなおさら。ミ
スの内容と傾向を分析できるか否か。鳥谷氏は過去の自分も思い返し「人は意外に自分のことは見えていない。失敗しないと分からないものなので」と言葉に力を込めます。
例えば書類の不備があったとします。その原因を探れば、前の日にお酒を飲んだ時にこんなミスが出てしまっているなとか、自分の傾向が出てくる。エラーなんかも、かみ砕いていくと意外とヒントが隠れているものなんです。
「あっ、自分は消極的になった時にエラーが出ているな」とか、「思い切りすぎた時にエラーが出るけど、あの場面は1歩引いても良かったな」とか、内容を見られればまた対処の仕方も変わってくる。「次もエラーしたらどうしよう」とビクビクするのではなく、次の日はそのエラーを頭で描きながら練習して、マイナスの部分を取り除いていく。そうすれば、エラーの質も変わってくるかもしれません。
なかなか深いですね〜自分のエラーを見直すなんて信じられないですが、やはりこれだけの記録を残した大スター選手の裏にはこのような努力があったと今更驚きました。
さらには守備の極意を明かしている鳥谷氏。
「バウンドが合わない時は焦って体に力が入るもの。でも硬くなった体に打球が当たると、大きく跳ねてしまう。そんな時はどれだけ力を抜けるか。脱力すればグラブも下に下がるので」。この一例も、ミスの内容を突き詰めた結果の発見だそうです。
プレゼンをするにしても、一番大事な日を迎える前に、自分が気を付けるところを分かっておいた方がいい。ずっとうまくいっていたのに、大事な本番で失敗する人もいる。それよりも、先に多く失敗してミスの傾向を分かっている人の方がいいと思います。
私ども平凡なサラリーマンにとっても勉強になる鳥谷氏。将来は必ず猛虎の指揮官としてユニフォームを着て欲しい!
先輩の期待に応えて欲しい中野君が画像です!
参考文献:阪神タイガース公式サイト
画像:中野 拓夢内野手
撮影:アナフレ猛虎会『頑張れ阪神タイガース☆』
撮影日:2021年06月29日
場所:阪神甲子園球場