巨人V9研究その11史上最強の監督
2006.04.24 Monday
さて、いよいよ本日は日本プロ野球史上最強の監督であられた川上哲治監督を研究いたします!
『打撃の神様』と言われた現役時代の氏の活躍は、小生の生前のために伝説でしかありませんが、現役当時はあの水原監督が持て余すほどの独立独歩の個性派選手だったようですね〜!生来の口下手に加えて「フラッシュは目が悪くなる」と記者すら写真撮映に苦労されたとか。「俺が四番で売ってりゃいいんだろ!誰にも文句は言わせん」と公言されたエピソードもあります。
そんな氏が引退されてヘッドコーチとなり、『ドジャースの戦法』に出会い、チームプレーが大切なことを確信すると、周囲が呆れるほどに水原監督に従順するようになられた事は有名だそうです!
氏が監督になられてまず取り組まれたのは、不満分子の一掃です。有名な広岡氏との確執や選手のトレード放出等々枚虚に暇がありませんが、小生が着眼した部分は、往年の偉大な先輩諸氏の方々には大変失礼な言い方かもしれませんが、「不満を言う人材ではなく、意見を言う人材を選ばれた事」ではないかと主張いたします!
V10を逃して監督を勇退された時に川上さんは牧野ヘッドに呟きます「これでお前にミーティングで文句を言われなくてすむな」…故牧野氏は先に紹介しました著書のなかで「この川上さんの言葉を聞けて本当に嬉しかった」と記されております。
そうです!いかなる組織であっても軍師は将軍のイエスマンであってはならない!
事実、監督は戦略等の実務面を牧野氏を中心としたコーチ陣に委ねられて、試合中はベンチに"デン"っと座って、ピンチになると貧乏揺すりが通例。試合前後のミーティング等では実にタイミング良く「かみなり」を落とすのが巧かったと、故牧野氏が回想します。
怒られ役は決まってあのミスター長嶋氏だったようで、あの大選手ですら怒られるので、他の選手もピリットせざる負えなかったといいます。
そしてチームプレーを浸透させるための強烈なエピソードは、キャンプや遠征での集団生活の場で「トイレのスリッパをきちんと揃えろ!」後に使う人が困るからとの事ですが、かなり厳しく選手の生活面を管理された事が伺えますね。
またもうひとつの有名なエピソードには、監督を勇退された後の解説者の時代の実況中継で、バッターボックスに立つ淡口選手を評して「この選手は親孝行だから大成しますよ」
親孝行と野球選手としての成功を説く、川上氏のアナクロリズムを揶揄する意味で引用されることが多いエピソードです。
選手の「人格教育」又は「人づくり」とでもいいましょうか、川上監督は選手との会話や説教では野球の話は殆んどせずに、一人の人間としての教育に多くの時間を割いていたと、V9時代の名捕手森昌彦氏も回想されてます。
そして最後に小生が学び取った事は、確かにこのカリスマ監督の存在無くしてV9は達成出来なかったと思いますが、しかしその『巨人軍の鬼』と呼ばれ『独裁者』のイメージをも感じさせる川上監督であっても、尊敬をされ、かつまったく頭があがらない人物がおりました。
その人こそ故正力松太郎翁の存在であり、常勝チームの条件は、この監督とオーナーとの信頼関係にあると思わざるおえません。
氏の近年の著書を紹介します!
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私が難しい巨人の監督を14年間も続けられたのはひとえにオーナーである正力さんのお陰だった。
ー私情を捨てて巨人軍の監督に徹するー
正力さんの唯一の要求であり、この教えがわたしの「支え」だった。
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氏は著書の中で回想します。V1を達成して連覇を目指していたこの年の五月ですから、丁度現在の岡田阪神と同じような境遇かもしれません(^_^)v
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富山で広島戦を終えて帰京すると正力翁に呼びつけられて、こっぴどく叱正された。前半5点を取って勝っていた試合を、若い投手が突然大量点を取られてひっくり返された時、少々むかっ腹をたててわたしが続投させたことを見逃さなかったのである。
「お前は試合に私情を混じえた。わたしはお前をそういう男に見ていなかったので監督にしたんだ。野球には“勝負の心”というものがある。常にベストの起用をし、常にベストを尽せば優勝できなくてもいい。失敗も許すが、この精神を無視した試合をしたら、君を即刻クビにする」
ー私情を捨てて勝負の心に徹するー
巨人の監督という任務に徹すれば非情だ、鬼だ、厳しすぎる、という声もあがってくるものだ。加えて私の場合は管理野球というようなとらえ方による非難もあった。しかしオーナーである正力さんと一緒になったつもりの、こうした姿勢や信念は絶対に崩さなかった。↑↑↑
我等がタイガースの闘将星野SDが川上監督を尊敬され、監督時代は常に背番号77番を選ばれていた事は有名ですね!
我等が岡田監督も頑固な采配には定評がありますね!
是非とも川上氏のように他チームから強すぎて憎たらしいと恨み節を浴びるような常勝阪神タイガースを築きあげてくだされ!
そして連覇を重ねた暁には必ずやあのムッシュ吉田さんと星野SDに続く阪神タイガースの監督として三人目となる「正力松太郎賞」を受賞していただきたいものです(^_^)v
参考文献:『遺言』川上哲治著 文春文庫
☆頑張れ阪神タイガース☆