猛虎かく勝てり13
2006.07.31 Monday
■虎キラーを打ち崩せ!
あの無敗を誇ったV9時代の巨人軍もわれらがエース村山氏、江夏氏、バッキー投手らには手こずった…とは、元巨人ヘッドコーチの故牧野茂氏の回想です。
そうです!あのV9巨人でさえ、我等が大エースの攻略に、死力を尽しました。
氏の著書『巨人軍かく勝てり』を再び学び、当時の選手名を現在の虎戦士に置き換えてみました。
↓↓↓無敵を誇る猛虎打線であるが、今季は相手チームに研究しつくされ、又阪神戦に備えてエース級の投手をあてがう特殊ローテ対策をとられたため、さしもの猛虎打線も苦しめられた。
特に中日の川上投手、中田投手、岩瀬投手、巨人の上原投手、工藤投手、ヤクルトの石井投手、横浜の三浦投手、広島の黒田投手にはかなりてこずった。
しかし「最低一人あたり5球投げさせろ」とか、投手と一塁手の間に「一塁手に取らせるセーフティーバント」を転がすなどの方法をとって打ち崩した。
一塁手にバントを処理させるということは、つまり投手を一塁ベースまで走らせることなのだ。そうやって疲れさせて、少しでも早く球威を落とさせようという作戦だった。
よく「投手の決め球を打つ」という表現があるが、投手の調子のいい時の「決め球」など打てるわけがない。
巨人上原投手は、楽天野村監督曰く、とにかく『原点回帰能力に優れた投手』といわしめるエースである。常に打者の外角低めへのコントロールが絶妙であり、二種類のフォークボールを巧みに盛り込ませ、打者は翻弄されてしまう。
工藤投手は縦に大きく曲がるスライダーが武器だが、ホームベース手前まで変化しないため、打者にはボールに見えてしまい、スイング起動が遅れて芯を捕えることができない。
だから素晴らしい「決め球」を持つ投手を打ち崩すには、決め球以外のボールを決め球を放られる前に打つしか手がないのである。
猛虎打線が相手のエースを打ち崩した一つの作戦にバント作戦があった。
これは先ほどのセーフティーバントで疲れさすとはちょいと違う。
たとえば赤星が塁にでた。次打者関本がバントで二塁に送る。
次に続くのが、濱中、金本のHK砲である。赤星はしきりに三盗へのアタックのゼスチャーをする。
一打生還の場面だから三盗の必要は必ずしも無いのだが、上原投手に「三盗される」と思わせることが狙いである。
上原投手は三盗を警戒してモーションを小さくする。そのほんのささいな細工が精工な投手を狂わせて球威が落ち、コントロールが乱れる。しかも打席はクリーンナップが続く。
この精神的負担で投手はヒヤ汗と本当の汗をかくことになる。
いまでこそドーム球場がふえ、快適な環境でのプレーができるようにもなったが、屋外の甲子園球場では、夏など三塁コーチャースボックスから見ていると、投手は投げるたびに全身から汗を飛び散らせている。
汗がカクテル光線の加減で虹のように光っていることさえあるのだ。すさまじい闘争である。
猛虎打線はよく早い回からこのようなバント作戦を敢行した。マスコミからは「一回から点が欲しい貧乏野球」などと叩かれたが、実際のところ先制点も欲しいには欲しいが、それよりも早い回から投手に負担をかけ汗をかかせて、少しでも早くくたばらせるのが主な目的だった。↑↑↑
今後も厳しいマークが続く猛虎打線!エース級の投手からクリーンヒットを打つにこしたことはないが、前記のような泥臭い野球に徹して打ち崩してこそが真の王者たる所以ではなかろうか(^_^)v
明日の対戦は今季低迷するも、過去幾度となくこのような"したたかな"野球で虎を圧倒してきた宿敵巨人である!
東京ドームにいざや征かなん(^o^)/
参考文献:牧野茂著『巨人軍かく勝てり』文春文庫
画像:試合前円陣を組む猛虎ナイン
撮影:アナフレ猛虎会『濱ちゃん気になる〜☆』
撮影日:06年6月30日
場所:東京ドーム
☆頑張れ
阪神タイガース☆
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