猛虎かく勝てり2796
2025.01.12 Sunday
“宿敵という球団“
猛虎の連覇を阻んだのは、この球団だった。日本を代表とする伝統のある球団。最も優勝して日本球界を牽引したチームであることは誰もが認める。猛虎は常に負け役で勝てなかった。確かにこれでは勝てるわけがないというくらい、強かったし、魅力もあった。
昨年末、そのドンであった大物が世を去った。プロ野球のオーナーとして賛否両論があった方であったが、自分の言葉で意見をはっきりというところは、私は非常に素晴らしい方であるなと尊敬をしていた。
そして最近音沙汰がなかったが、猛虎のキャンプに数年前も訪れていた巨人OBの広岡達郎さんの記事を最近見つけた。
今の野球界は「みんなでやる」という意味が分かっていない。
秋季キャンプを見ていても、全体で歩調を合わせて帽子をかぶる、統一されたユニフォームを着るといった習慣がない。自分のチームの正規のユニフォームを着ない選手や帽子をかぶらない選手が目についた。それぞれ勝手な身なりで練習。ユニフォームに対する誇りがない。
ウォーミングアップにしても、みんなが同じメニューに取り組むところに値打ちがある。にもかかわらず個人個人がバラバラにやっていたら、チームの統率、誇りなど生まれるわけがない。
練習内容にも疑問を呈したい。10メートルくらい走っただけで歩いて戻ってくる。その後、グラウンドに寝転んでストレッチ。スタミナがつくはずがない。
本当は野球界で恩恵を受けている評論家がこういうところを指摘していかなければいけない。しかし、現実はろくに勉強もせずに、球団に都合の良いことを言っていれば評論家になれる世の中だ。
巨人はキャンプテン制度を廃止した。誰が統率するのだ。
しかも今オフは楽天を自由契約になった田中将大と契約。ソフトバンクからFAした甲斐拓也も獲得した。
メジャー・リーグでは特定のチームが勝つだろうとなったら、ファンは誰も球場へ足を運ばなくなる。だからFAで選手を獲得した場合、その選手が所属していた前球団へドラフトの指名権が譲渡される。それが平等なのだ。
ところが、日本の場合は、戦力格差にメスを入れようとしない。
他球団の選手を獲ってありがたがっているのは、コミッショナーや球団オーナーが何も分かっていない証拠だ。現状のFA制度が野球界にどんな影響を与えるか、どうしたら野球界が平等になるか、そして人間が年を取ったらどうなるか。何も考えていない。ただ単にメジャーの表面だけをマネしているだけだ。もう少し勉強しろと言いたい。戦う前から差がつくようなルールを作ったらいけないということなのだ。
田中と甲斐が巨人に来ることで、彼らの経験談を聞ける絶好のチャンスだと言って巨人の選手たちは歓迎しているが、それは既存の指導者が何も教えてこなかった証拠だ。情けないと思わないのか。
正捕手としてソフトバンクを勝たせた甲斐はともかく、田中など日本球界復帰後、何勝したのか。どんなに優秀な選手でも年を取れば老いていく。私が再三述べている自然の法則には逆らえないということを、認識すべきだ。
甲斐を獲ったのも、阿部慎之助監督が次代の正捕手を育てていなかったことを物語る。FAはルール違反でないとはいえ、それでは昨季チャンスをもらってプレーした岸田行倫はどうなるのか。希望がない。
ところで昨年暮れに元巨人のオーナーで絶対的な権力を誇っていた読売新聞の渡邉恒雄主筆が亡くなった。生前、私は渡邉さんから直筆の手紙をもらった。そこには「私にもう少し力があれば、あなたを監督にしていた」と書いてあった。お中元やお歳暮も送ってきた。ところが、私は遠慮なく「巨人はこうあるべきだ」と耳に痛いことを書くから次第にそれもなくなった。
巨人のフロントはみんな渡邉さんの力で重役になる。しかし野球の現場は職人揃い。そこに読売の組織論は当てはまらない。長嶋茂雄(巨人軍終身名誉監督)が目に余るFA補強に「それではいけません」とクギを刺していたら、渡邉さんは頭の良い人だけに、野球界は変わっていた。少なくとも今の巨人のように堕落することはなかった。
広岡さんらしい鋭い指摘でしょうね。久しぶりに読ませていただき嬉しくもありました。巨人ならずプロ野球界への愛情すら感じる記事ですね。
今季藤川新監督。そして顧問に岡田彰布前監督が就任しました。
巨人の様なFAで選手を獲得もせず、目立つのはドラフト選手以上に育成枠で外国人を獲得しているところは対照的です。
だからこそ選手をしっかり育てて、巨人の様なチームには絶対になって欲しくないと常々感じる昨今でございます。
参考文献:阪神タイガース公式サイト
画像:猛虎ナイン
撮影:アナフレ猛虎会『頑張れ阪神タイガース☆』
撮影日:2024年05月01日
場所:マツダスタジアム